Online Market

ものに付加価値を付けること。
役目を終えたものに、新たな意味を吹き込むこと。
人はこれをリサイクルと呼ぶのかもしれませんが、
プエブコでは、価値がないとされた素材を使って
人々に喜んでもらえるものを、適正な価格で作ることに
ものづくりの意味を見出だしています。

新しいマテリアルを使い、効率的な製造方法で作ることは
品質の高いものを生み出す素晴らしい産業です。
けれど、効率やクオリティだけでは見出せない魅力というものが
世界にあることを信じて、2007 年に活動をはじめました。

プエブコで扱う商品の8 割は
海外のジャンク品やアンティークからヒントを得て、
現代の生活に沿うように仕立て直したオリジナル。
残り1 〜2 割はインド・中国の工場やマーケットに繰り返し足を運び
業務用のものや、普遍的な良さを感じるものを探し出しています。

東京の小さなオフィスで発信し続けてきた商品は、
現在、ヨーロッパやアジアを中心に約30カ国で販売されるようになりました。
これまでもこれからも、大衆向けの商品では満足できないような人に向けて。
100 人いたら、そのうち1 〜2人ぐらいが喜んでくれたらいい。
そんな思いで今日も、ものづくりを続けています。

海外で手に入れたマテリアルをリサイクルするときは、できるだけ素材がもつ特性を生かすようにしている。このミリタリーポンチョはインド軍の払い下げ品を扱う市場で買い付けたもので、防水性と撥水性を備えていた。生地には昔ながらのゴム引きという製法が使われていて、2 枚の薄い生地の間に天然ゴムが塗られて圧着されている。縫製のつなぎ目は、裏からテープと特殊な接着剤で覆われて完全防水に。欠点は、それなりに残るゴムのにおいだけだ。使っていくうちに薄れるが、はじめは気になるかもしれない。

防水のメリットがあり、且つ、においにあまり左右されないものにリサイクルするのがいいと考えた結果、傘袋やシューズバッグなどいくつかの商品を作ることにした。使用済みやデットストックのポンチョを1 枚ずつ解いてから縫い直しているので、多少の汚れや微妙な色の違いはご愛嬌。防水性が弱まらないよう、ステッチの位置にも気を遣った。

軍から払い下げられたミリタリーテントの古生地を再利用してエプロンを作った。インド北部には大きな軍基地があり、その周辺の街では軍の払い下げ品が流通している。ジャングルはグリーン、砂漠はベージュ、雪山ならホワイトというように戦地によって色が異なる生地が卸業者に一堂に集められ、それらが何層にも山積みされている光景に心をつかまれた。そこで働く人々も軍の払い下げ品を無造作に身に着けていて、中でも寝台列車に敷かれていたシーツをターバン代わりに頭に巻いていた男性が、妙に格好良かったことを覚えている。

買い付けた大きなテントは、洗いをかけてからハトメや窓などの金具をよけて裁断した。時には解体した生地をはぎ合わせて一枚の布にしてから作ることもある。完成したエプロンは、ひとつとして同じに見えない。

買い付けたのは、本来の役目を終えた大きなパラシュートの生地。軽量で、強度があるのが特徴だ。見た目はよく似ているが、裂け目を防ぐために格子状に糸が織られたリップストップ生地と、平織りのノンリップ生地の2種類が混在している。この生地に、デットストックや中古の工業用ベルトを再利用した持ち手を組み合わせ、いくつか商品を展開した。

素材を見つけたのは、インドのとある街。軍の払い下げ品が流通する地域で、天井近くまで中古の生地が山積みになっている小さな専門店を訪ねた。これを店と呼んでいいのかわからないほど、中は生地で埋め尽くされていて足の踏み場もない。店の男に誘導されながら巨大な生地の山によじ登り、生地をかきわけ奥に進み、あれでもないこれでもないと探した。まるで洞窟を探検するように何時間も格闘しただけに、このマテリアルには言葉で言い表せないような愛着がある。

ガチャンガチャンと音を響かせながら、古びたアンティークのような機械で織るタオル生地には、独特の風合いがある。ところどころにほつれや糸とび、織り傷などが生じてしまうのは機械の性能上どうしても仕方のないことで、ある程度は許容する必要があった。最新の機械で編めば均等な美しさが手に入るが、それではなんだか味気ない。

昔ながらの平織りと綾織りで編まれたタオルは、パイル地のタオルと比べて吸水性は劣るが、薄くかさばらず、濡れても乾きやすい。毛羽立ちが少なく、耐久性があるのも特徴だ。満を持して商品化しようと思った矢先、海外工場とのやりとりの難しさを改めて知ることになる。どういうわけか勝手な判断をして、違うものを作ってしまうのだ。細かく指定しても、糸が違う。織り方が違う。これまで幾多の商品に関わってきたが、完成までの道のりがこんなに険しかったものはない。試行錯誤を重ねてようやく世に出せることになった。

White Laminated Fabric Curtain

以前から販売している商品に“Tent Mat(P.90-91)” というものがある。パラフィン加工したキャンバス生地の四隅にハトメを付けた大きな布で、当初は芝生や海辺に敷くレジャーシートを意識して製造したものだった。けれども最近、このテントマットを自分でカスタムしてカーテンとして使っている人が多くいるという話を耳にし、新たにカーテンを作ることにした。

選んだ素材は片面がラミネート加工されたリサイクルキャンバス。よく見ると色の違う糸が混じっていたり、生地とラミネートの間に異物が混入していたりとラフな材質。既製品のカーテンにはない風合いが楽しめる。ラミネートされていることで自由な長さでカットでき、はさみで切りっぱなしでも糸がほつれにくい。水に強いラミネート面を水まわり側にして吊るせば、シャワーカーテンのように使うこともできる。今のカーテンにない利点を探し求めたら、こうなった。


Recycled Sole Rubber Bucket

昨今、中国では人件費の高騰を原因とした工場の機械化が進んでいる。今後は極力むだが出ないよう設備がさらに整い、手間ひまかけてリサイクルすることもなくなるだろう。だからこそ、“ いまの時代にしか作れないもの” に惹かれる。

リサイクルラバーのバケツはその代表的な存在だ。以前タイヤをリサイクルしたスペイン製の黒いラバーバケツを販売していたことがあるのだが、白のリサイクルラバーを見たのはこれが初めてだった。聞けば、それは中国でよく履かれているデッキシューズのゴム底だという。底形に型抜きし終えたゴムの残りをすべて溶かし、もう一度固めてバケツにしているのだ。型にゴムを流し込み、たい焼きのようにガチャンと型押しして作るのだが、端の始末はせずに切りっぱなし。白いゴムに混入してしまったのだろうか、微量の赤や黄色の異物がマーブル模様を描き石のような質感にも見えた。ふたつとして同じものが作れないこの手法が、この先10 年後も存在している保証はない。その儚さにも価値がある。

硬く丈夫で耐久性があることから、昔から造船材や建築材、家具の材料などに使われてきた銘木・チーク。チークという名前はインド南部ケーララ州の言葉、マラヤーラム語の「thekku」に由来すると伝えられているほど、インドは世界的にもチークの産地として知られてきた。けれども年々、資源としての天然チーク林は減少しており、現在インドでは伐採や輸出が禁止されている。

チーク材でミラーやコートラックを作ったリサイクルチークウッドシリーズは、インド北西部ラジャスタン州のハンドクラフトが盛んな街で生まれた。この街の家具工場には、建物を取り壊した際に出る廃材がインド全域から集められてくる。いまでは新しく手に入れることが困難になった無垢のチーク材が、ここでは廃材としてリサイクルされているのだ。汚れた木の表面を削って新品のように見せることもできるが、時を経て美しく朽ちた風合いを、あえて残す程度に仕上げている。